ゴルフ場が多い県・少ない県をデータで読み解く|名門コースと地域の特徴まとめ【2026年版】

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はじめに

「日本でいちばんゴルフ場が多い県はどこ?」——そう聞かれて、即答できるゴルファーは意外と多くありません。なんとなく「関東あたりかな」「やっぱり北海道?」とイメージはあっても、実際の数字を知っている人は少ないものです。

日本全国には、およそ2,100〜2,300のゴルフ場があります。これは世界的に見てもアメリカ・イギリスに次ぐ規模で、日本が押しも押されもせぬ「ゴルフ大国」であることを物語っています。しかし、その2,000以上のコースは全国に均等に散らばっているわけではありません。多い県と少ない県のあいだには、実に15倍以上もの開きがあるのです。

なぜこれほどまでに偏りが生まれたのか。そこには「気候」「地形」「土地の値段」「大都市からの距離」といった、その土地ならではの事情が複雑に絡み合っています。この記事では、2026年最新のデータをもとに、ゴルフ場が多い県・少ない県をランキング形式で紹介しながら、その背景にある理由をわかりやすくひも解いていきます。あわせて、各エリアを代表する日本屈指の名門ゴルフ場もたっぷりご紹介します。

これを読めば、次のラウンド先選びがきっと楽しくなるはずです。


ゴルフ場が多い県 トップ10


まずは、ゴルフ場の数が多い県を上位10位まで一覧で見てみましょう。

順位都道府県ゴルフ場数
1位北海道169
2位兵庫県159
3位千葉県155
4位栃木県137
5位茨城県125
6位静岡県91
7位岐阜県88
8位埼玉県85
9位群馬県79
10位三重県78

トップ10を眺めると、ある傾向が浮かび上がってきます。それは「北海道」「関西(兵庫)」「関東(千葉・栃木・茨城・埼玉・群馬)」という3つの大きなかたまりに分かれていること。そして、それぞれ「多い理由」がまったく異なるという点です。ひとつずつ見ていきましょう。

北海道(169コース)── 広大な土地が生んだ「夏のゴルフ天国」

堂々の全国1位は北海道。その原動力は、なんといっても圧倒的に広い土地と、本州に比べて格段に安い地価です。雄大な自然のなかに、ゆったりとレイアウトされた開放感あふれるコースが次々と誕生しました。フェアウェイの幅が広く、白樺やエゾマツに囲まれた北海道のコースは、本州では味わえないスケール感が魅力です。

ただし、北海道のゴルフには大きな弱点もあります。それは「冬」。11月から4月ごろまでは雪に覆われ、半年近くもクローズするコースが珍しくありません。つまり営業期間が短いのです。だからこそ、雪が解けて緑がよみがえる夏には、本州の蒸し暑さを逃れて「避暑ゴルフ」を楽しむゴルファーが全国から大挙して訪れます。北海道は、夏だけ姿を現す季節限定のゴルフ天国なのです。

代表的なコース:ニドムクラシックコース、樽前カントリー倶楽部、北海道クラシックゴルフクラブ(ジャック・ニクラス設計)

兵庫県(159コース)── 関西ゴルフ文化の発祥地

本州でトップ、全国でも2位につけるのが兵庫県です。六甲山系から続くなだらかな丘陵地が広がり、コース造成に適した地形が豊富にあること。そして神戸・大阪という関西の二大都市圏を背後に控え、旺盛なゴルフ需要を受け止めてきたことが、その多さの理由です。

兵庫県は単に数が多いだけではありません。日本のゴルフの歴史そのものを語るうえで欠かせない、超名門倶楽部が数多く集まる「名門県」でもあります。関西におけるゴルフ文化の発祥地ともいえる存在で、ここでプレーすることは多くのゴルファーにとって特別な意味を持ちます。

代表的なコース:廣野ゴルフ倶楽部(日本ランキング1位の常連)、鳴尾ゴルフ倶楽部、小野ゴルフ倶楽部

千葉県・栃木県・茨城県 ── 「東京の奥座敷」関東勢の実力

3位以下は、関東の県がずらりと顔をそろえます。理由はとてもシンプルで、巨大なゴルフ人口を抱える首都・東京から日帰りで通えるからです。

なかでも3位の千葉県は、温暖な気候とアクアラインをはじめとするアクセスの良さで、冬でも快適にプレーできる「実用性ナンバーワン」の存在。年間を通じて稼働率が高く、実際のプレー人口で見れば日本一とも言われます。一方、4位の栃木県と5位の茨城県は、なだらかな丘陵地が多く、名門コースや戦略性の高い難関コースが集中する「コースの質」でも一目置かれるエリアです。トーナメント開催実績を持つコースも多く、腕に覚えのあるゴルファーを惹きつけてやみません。

代表的なコース:大洗ゴルフ倶楽部(茨城)、我孫子ゴルフ倶楽部(千葉)、日光カンツリー倶楽部(栃木)

ゴルフ場が少ない県 ワースト5

次に、ゴルフ場の数が少ない県を見てみましょう。

下位都道府県ゴルフ場数
最少島根県11
福井県11
高知県11
4鳥取県14
徳島県14

最も多い北海道の169に対し、最少の島根・福井・高知はわずか11。実に15倍もの差があります。少ない県には、はっきりとした共通点が見えてきます。

日本海側(島根・福井・鳥取)── 雪と需要の少なさ

日本海側の県に共通するのが、冬の積雪です。雪に覆われる期間が長く、コースのクローズが避けられないため、ゴルフ場を経営として成り立たせるのが難しいという事情があります。さらに、これらの県は人口が比較的少なく、大都市圏からも遠いため、ゴルフ需要そのものが小さいのです。「造っても客が集まりにくい」という条件が重なり、コース数が伸び悩む結果となっています。

四国の山間県(高知・徳島)── 平地が足りない

四国は全体的に山がちな地形で、ゴルフ場を造れるまとまった平坦地が限られています。同じ四国でも、瀬戸内海側で温暖な香川・愛媛にはある程度のコースがあるのに対し、太平洋に面した高知や、山深い徳島はコース数が伸びにくい傾向にあります。地形という「動かせない条件」が、そのまま数字に表れているのです。

意外? 東京都が少ない理由

ここで意外な事実を。日本一ゴルフ人口が多いはずの東京都ですが、ゴルフ場の数はわずか20コースほどしかありません。下位グループと大差ない少なさです。

理由は明快で、地価が高すぎるから。広大な土地を必要とするゴルフ場を、日本一地価の高い東京に造るのは経済的に現実的ではありません。だからこそ、東京のゴルファーたちは週末になると、千葉・栃木・茨城・神奈川・山梨へと「外」に出ていきます。この巨大な需要の流出こそが、関東周辺の県にコースが集中する最大の理由でもあるのです。ゴルフ場の分布は、首都・東京を中心とした「ドーナツ構造」になっている、と言い換えることもできるでしょう。

数だけでは語れない「密度」という視点

ここまで「数」でランキングを見てきましたが、ゴルフ場は多ければいいというものでもありません。もうひとつ大切なのが「密度」、つまり住んでいる人にとってどれだけ身近かという視点です。

人口1万人あたりのゴルフ場数で比べると、トップは栃木県の約0.92コース。数で全国1位の北海道は約0.46コースですから、栃木は実にその倍。地元の人にとってゴルフがどれだけ生活に溶け込んでいるかという意味では、栃木県こそ「真のゴルフ県」と呼べるかもしれません。

北海道は数こそ日本一でも、広大な土地に散らばっているため、移動距離は長くなりがち。一方、関東北部の栃木や茨城は、限られたエリアにコースが密集しているので、「思い立ったらすぐ行ける」気軽さがあります。数と密度、両方の視点を持つことで、その県のゴルフ事情がより立体的に見えてきます。


一度は回りたい 日本を代表する名門ゴルフ場


最後に、各エリアを代表する日本屈指の名門コースを紹介します。世界のゴルフ場ランキングにも名を連ねる、まさに「日本の至宝」と呼ぶべき名コースたちです。

  • 廣野ゴルフ倶楽部(兵庫)── 日本ランキングで常に1位に挙げられる名門中の名門。イギリスの設計家アリソンが手がけた、戦略性に満ちたバンカー配置(通称「アリソンバンカー」)で世界的に高く評価されています。
  • 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡)── 相模湾の大海原を望む絶景から「東洋一」と称されるリゾートコース。多くのアマチュアゴルファーが「一生に一度は回りたい」と憧れる、開放感あふれる名コースです。
  • 鳴尾ゴルフ倶楽部(兵庫)── 創設100年を超える歴史を誇る、関西ゴルフ文化の象徴。伝統と格式を肌で感じられる、由緒正しき倶楽部です。
  • 霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉)── 東京2020オリンピックのゴルフ競技の舞台として、世界中にその名を知らしめた日本を代表する名コース。気品ある林間コースです。
  • 大洗ゴルフ倶楽部(茨城)── 海岸沿いの松林と、難攻不落の砲台グリーンがゴルファーに牙をむく屈指の難関コース。風が吹けば一気にスコアを崩される、リンクス風の戦略性が魅力です。
  • 東京ゴルフ倶楽部(埼玉)── 日本最古級の歴史を持つ名門倶楽部のひとつ。長い伝統に裏打ちされた、格調高いクラブライフで知られています。
  • 古賀ゴルフ・クラブ(福岡)── 九州を代表する名門。美しい松林に囲まれた、九州ゴルフ史を語るうえで欠かせない由緒あるコースです。

これらの名門は、メンバーの紹介が必要だったり、ビジターでのプレーに条件があったりするコースも少なくありません。それでも、もし回る機会に恵まれたなら、日本のゴルフの「本物」に触れる忘れがたい一日になることは間違いないでしょう。

大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)はこんな人におすすめ!歴史ある茨城の名コースを体験レポート

ゴルフ場はなぜ減っている? ピーク時と2026年を徹底比較


ここまで現在の分布を見てきましたが、実は日本のゴルフ場は「数のピーク」をとうに過ぎ、年々減り続けているのをご存じでしょうか。最も多かった時期と2026年を比べると、その差は歴然です。

ピーク時 vs 2026年 比較表

項目ピーク期(2002年ごろ)2026年変化
ゴルフ場数約2,460コース約2,100コース約360コース減(▲約15%)
ゴルフ人口約1,300〜1,500万人約560〜700万人ほぼ半減(▲約50%)
ゴルフ会員権相場バブル期の最高値ピーク比 約9割下落暴落

数の推移(ざっくり年表)

ゴルフ場数(概数)
2002年(ピーク)約2,460
2013年約2,386
2020年約2,209
2024年約2,110
2026年約2,100

ピークから約20年で、おおよそ360のコースが姿を消した計算になります。では、なぜこれほど減ってしまったのでしょうか。主な理由を5つに整理して検証します。

理由①:バブル崩壊とゴルフ人口の激減

最大の要因は、ゴルフ人口そのものの急減です。1980〜90年代のバブル期、ゴルフは接待やステータスの象徴として爆発的に普及し、ゴルフ人口は1,300万〜1,500万人に達しました。しかしバブル崩壊後は接待ゴルフが激減し、若者のゴルフ離れも進行。現在のゴルフ人口は約560万〜700万人と、ピーク時からおよそ半分にまで落ち込んでいます。利用者が減れば、当然コースの数も需要に合わせて淘汰されていきます。

理由②:会員権バブルの崩壊と経営破綻

バブル期、多くのゴルフ場は「預託金(会員から預かるお金)」を元手に建設されました。しかしバブル崩壊で会員権相場は暴落し、ピーク比で平均9割以上も下落。預託金の返還が経営を直撃し、2000年以降だけで400か所を超えるゴルフ場が倒産・経営交代に追い込まれました。会社更生法の適用を受けたコースも数知れず、業界再編の引き金となりました。

理由③:メガソーラー(太陽光発電)への転用

近年とくに増えているのが、閉鎖したゴルフ場の跡地を太陽光発電所に転用するケースです。ゴルフ場は「広大」「日当たりが良い」「ほどよい起伏がある」と、太陽光パネルの設置にうってつけの条件がそろっています。2012年の固定価格買取制度(FIT)開始を機に転用が一気に広がり、業界専門誌が報じただけでも約150件にのぼります。緑のフェアウェイが、黒いソーラーパネルの海に変わった——そんな光景が全国で見られるようになりました。

理由④:後継者不足と運営者の高齢化

中小のゴルフ場では、経営者の高齢化と後継者不足も深刻です。利用者減で採算が悪化するなか、「次の世代に引き継げない」「設備の更新投資ができない」といった理由で、惜しまれつつ閉鎖を選ぶコースも少なくありません。

理由⑤:他用途への転用(宅地・物流・墓地など)

太陽光以外にも、立地のよいゴルフ場跡地は住宅地や物流倉庫、霊園などへ姿を変えています。とくに大都市近郊では、ゴルフ場として運営し続けるより、土地を売却・転用したほうが収益性が高いケースもあり、これが閉鎖を後押ししています。

それでも「復活の兆し」も

一方で、明るい動きもあります。コロナ禍では「屋外で三密を避けられるレジャー」としてゴルフが再評価され、若者や女性の新規参入が増えました。淘汰が進んだことで、生き残ったコースの経営はむしろ安定し、サービスや設備への投資余力が生まれているという見方もあります。数は減っても、一つひとつのコースの質はむしろ高まっている——そんな「量から質への転換期」を、いまの日本のゴルフ場は迎えているのかもしれません。


まとめ


最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • ゴルフ場が多いのは「北海道」「兵庫」「関東(千葉・栃木・茨城ほか)」の3エリア
  • 多い理由はそれぞれ異なり、「広い土地(北海道)」「関西の需要(兵庫)」「東京からの近さ(関東)」が背景にある
  • 少ないのは「日本海側(雪と需要不足)」「四国の山間部(平地不足)」、そして地価の高い「東京」
  • 数だけでなく「人口あたりの密度」で見ると、栃木県が日本一身近なゴルフ県

ゴルフ場の分布には、その土地の自然や歴史、人々の暮らしがそのまま映し出されています。住む場所や旅行先によって、出会えるコースの表情はまるで違うもの。数字の向こうに広がるそれぞれの物語を思い浮かべながらコースを選べば、ゴルフはもっと奥深く、もっと楽しくなるはずです。

次の一打を、まだ訪れたことのない県の名門コースで——。この記事が、あなたの新しいゴルフ旅のきっかけになればうれしく思います。


※ゴルフ場数は2026年最新版データ(集計方法により出典間で多少の差があります)。名門ランキングは各種ゴルフ専門メディアの評価を参考にしています。


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